三百五十年ほど前、肥後細川家初代忠利公は、日頃から体が病弱でお困りでした。これを心配して羅漢寺玄宅和尚は「何か栄養のあるものを」と苦心さんたんしており、ある時、蓮根に造血効能があることを和漢の書で知り、これを勧めてみました。しかし、忠利公は蓮根が「泥の中で育った不浄なもの」と言い、箸をつけませんでした。そこで和尚は一計を暗示、麦味噌に和辛子粉を混ぜたものを蓮根の穴に詰め、麦粉、そら豆粉、玉子の黄身を混ぜ合わせた衣をつけて油で揚げ、もの珍しい逸品を完成させました。
さっそく、忠利公のもとへ差し出すと、たいそう気に入られ、常食される程になりました。病弱だった忠利公は食欲も増し、みるみる剛健になられました。また、輪切りにした蓮根の外観が細川家の家紋、九曜(くよう)の紋に似ている事もあり、忠利公は製造方法を秘伝とし、明治維新の頃まで門外不出の味とされていました。この歴史が肥後熊本の地を全国唯一の辛子蓮根の名産地としている由縁であります。
今やその料理は、馬刺しと並ぶ熊本の歴史的な郷土料理として、その名を全国に馳せるまでの知名度を得ました。お土産品として、創作料理の材料として好まれるのは勿論、ここ熊本県でも長らく愛される、まさにソウルフードと呼ぶにふさわしい逸品として定着しています。村上カラシレンコン店では、忠利公が剛健な身体を手に入れた当時の製法を大切に維持し、350年前の味を現代まで引き継いでいます。熊本にお越しの際は、是非お立ち寄り頂きたいほか、通信販売も承っておりますので、是非この「熊本味」をご賞味ください。
お一人様一本、れんこんへの辛子の手詰めから衣付け、そして揚げ工程まで体験いただき、出来たてのものをお持ち帰りいただくことが出来ます。
当店で製造している商品は、インターネット通販にてお買い求め頂けます。 熊本県外の方にも、広くご賞味頂けると幸いです。